シナリオ講座修了後2年足らずで脚本家デビューし、 以降数多くの人気アニメ作品を手がけている横谷昌宏さんから、デビューのチャンスをどのようにつかんだか、お話を伺いました。

シナリオ講座に通われる前からシナリオは書かれていましたか?

書いていました。僕は映画が好きで、学生の頃は映画監督
志望だったんです。大学の時、8mmフィルムの自主映画を友達と作っていたのですが、自分の脳内にあるイメージを画にしたり演出したりすることがなかなか上手くできず、そもそも人の上に立ってあれこれ指図するのが苦手だったので、「自分には監督は無理だ」と痛感したんです。そんなときに「そうだ、シナリオなら一人で書ける!」と思い至り、初めてシナリオを書きました。

もともと本や漫画が好きで、昔からなんとなく物語を作る人になりたいなと思っていたんです。小学生の頃は漫画家になりたかった。でも、そこまでの画力はない。じゃあ小説家は? でも、そこまでの文章力もない。だけどシナリオなら画力はいらないし、ト書きにそこまで文学的・芸術的な表現は求められない。セリフも日常で使わない難しい表現はかえってしない方がいい。

シナリオなら、映画を撮るのがダメでも、漫画がダメでも、小説はダメでも、物語が作れる!と思ったんです。そんな経緯で大学生の頃からちょこちょこシナリオを書き始め、その後普通に就職してサラリーマンやっている間も、コンクールには少しずつ出していました。